躁うつ(双極性障害)とは?症状と原因、最新の治療法を徹底解説

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はじめに

躁うつ病、あるいは双極性障害は、気分の高揚と落ち込みを繰り返す精神疾患です。この病気は、かつては”気分障害”と呼ばれていましたが、近年、医学の発達に伴い、より適切な名称として”双極性障害”と呼ばれるようになりました。本日のブログでは、この双極性障害について、その症状、原因、治療法などを詳しく解説していきます。

双極性障害とは

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ここでは、双極性障害の基本的な定義と特徴について説明します。

気分の両極端を行き来する

双極性障害の最大の特徴は、気分が二つの極端な状態を行き来することです。一方は高揚した”躁状態”、もう一方は落ち込んだ”うつ状態”です。患者さんは、この二つの状態を繰り返し体験します。

躁状態の際には、気分が非常に高揚し、過剰に活動的になり、睡眠時間が短くなるなどの症状があらわれます。一方、うつ状態の際には、気分が沈み込み、無気力になり、自殺念慮すらあらわれる場合があります。

発症のタイミングや経過は個人差が大きい

双極性障害の症状の発現のタイミングや経過には個人差が大きいのが特徴です。躁状態とうつ状態の期間の長さや、それらの症状の強さは人によってさまざまです。また、発症の契機となるストレスの種類や程度も人それぞれです。

このように、双極性障害は一人ひとりの症状が異なることから、的確な診断と適切な治療が重要になります。

再発のリスクが高い

双極性障害の特徴の一つとして、再発のリスクが高いことがあげられます。適切な治療を受けずに放置すると、再発が起きやすくなり、症状が悪化する恐れがあります。そのため、長期的な治療と経過観察が欠かせません。

再発を防ぐためには、規則正しい生活リズムを保ち、ストレス管理を行うことが重要です。定期的な受診も欠かせません。

双極性障害の原因

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双極性障害の正確な原因はまだ分かっていませんが、いくつかの要因が指摘されています。

遺伝的要因

双極性障害には遺伝的な要因が大きく関与していると考えられています。双極性障害の患者さんの家族に同じ病気の人がいる割合が高いことから、遺伝的素因があると推測されています。

ただし、遺伝だけが原因ではなく、環境やストレスなども影響しているとされています。

脳内の神経伝達物質のバランスの乱れ

双極性障害の発症には、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンなどのバランスの乱れが関係していると考えられています。これらの物質のバランスが崩れることで、気分の変動が起きると推測されています。

また、視床下部や扁桃体などの脳の一部の領域の機能異常も原因の一つとして指摘されています。

環境ストレスや生活リズムの乱れ

遺伝的要因や脳の機能異常に加えて、環境ストレスや生活リズムの乱れも双極性障害の発症に関与していると考えられています。ストレスが蓄積したり、睡眠サイクルが乱れたりすることで、気分の変動が引き起こされると言われています。

そのため、双極性障害の予防や再発防止には、ストレス管理と規則正しい生活リズムの維持が重要となります。

双極性障害の症状

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ここでは、双極性障害の代表的な症状について解説します。

躁状態の症状

  • 気分が高揚し、活動性が極端に高まる
  • 睡眠時間が短くなる
  • 自信過剰になり、誇大妄想を抱く
  • 判断力が低下し、浪費が見られる
  • 多弁になる

躁状態では、このように活動性が極端に高まり、気分が過剰に高揚する症状が見られます。しかし、本人はこの状態を病的だと自覚しづらいのが特徴です。

うつ状態の症状

  • 気分が落ち込み、無気力になる
  • 集中力が低下し、意欲がなくなる
  • 食欲不振や過剰な食欲
  • 睡眠障害(不眠または過眠)
  • 自殺念慮

うつ状態では、気分が沈み込み、活動性が極端に低下します。日常生活に支障が出るほどの無気力さが見られます。自殺念慮が強くなる場合もあり、重症化すると危険が伴います。

双極性障害の治療法

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双極性障害の治療には、主に薬物療法と心理社会的療法が用いられます。

薬物療法

双極性障害の薬物療法には、主に気分安定薬が使われます。気分安定薬には、リチウム製剤やバルプロ酸ナトリウム、カルバマゼピンなどがあり、気分の変動を抑え、症状を軽減する働きがあります。

また、一部の非定型抗精神病薬も気分安定作用があり、単独または他の薬剤との併用で使われることがあります。薬物療法は長期間継続する必要があり、自己判断で中断すると再発のリスクが高くなります。

心理社会的療法

  • 認知行動療法
  • 対人関係療法
  • 心理教育
  • ストレス管理

薬物療法に加えて、心理社会的療法も重要な役割を果たします。認知行動療法では、ネガティブな思考パターンを修正することで症状の改善を図ります。対人関係療法は、人間関係の改善を目指します。心理教育は、病気への理解を深め、自己管理を促します。ストレス管理では、ストレスへの適切な対処法を学びます。

電気けいれん療法

薬物療法が効果不十分な場合には、電気けいれん療法(ECT)が選択肢の一つとなります。ECTは、脳に一定の電気刺激を与え、一時的に意識を失わせることで、症状を改善させる治療法です。

ECTは侵襲的な治療法ですが、双極性障害の難治性の症状に対して一定の効果が期待できることから、最終手段として検討されることがあります。

まとめ

双極性障害は、気分の高揚と落ち込みを繰り返す精神疾患です。症状にはさまざまな個人差があり、的確な診断と長期的な治療が必要とされます。薬物療法と心理社会的療法を組み合わせることで、症状のコントロールと再発予防が可能になります。

双極性障害は難治性の病気ですが、適切な治療を受けることで、多くの患者さんが社会生活を送れるようになります。患者さん本人と家族の理解が何よりも大切です。気付いた時点で、専門家に相談することが重要です。

よくある質問

双極性障害の症状は何ですか?

双極性障害の症状は、気分の高揚と落ち込みを繰り返すことです。躁状態では、気分が高揚し、過剰に活動的になり、睡眠時間が短くなるなどの症状があらわれます。一方、うつ状態では、気分が沈み込み、無気力になり、自殺念慮すらあらわれる場合があります。

双極性障害の原因は何ですか?

双極性障害の正確な原因は分かっていませんが、遺伝的要因、脳内の神経伝達物質のバランスの乱れ、環境ストレスや生活リズムの乱れなどが指摘されています。これらの要因が複雑に関係し合っていると考えられています。

双極性障害の治療法は何ですか?

双極性障害の治療には、主に薬物療法と心理社会的療法が用いられます。薬物療法では気分安定薬が使われ、心理社会的療法では認知行動療法や対人関係療法などが行われます。薬物療法と心理社会的療法を組み合わせることで、症状のコントロールと再発防止が可能になります。

双極性障害の予後は良好ですか?

双極性障害は難治性の病気ですが、適切な治療を受けることで、多くの患者さんが社会生活を送れるようになります。ただし、再発のリスクが高いため、長期的な治療と経過観察が欠かせません。

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